いつものように、昼食を兼ねて、昼前からカメラを持ってふらりと出掛ける。特に目標もないので、とりあえず、クロツとシルビアの新産地でも見つからないかと180号線を北上する。ミヤコグサかツメレンゲでもないかと、走りながらそれらしい所に目をやるが、見当たらない。思いつきで水口橋を左折。とたんに田舎~って景色。こんな景色の中を走るのは大好きである。どこの家も古い石垣がある。が、ツメレンゲは無い。
12時を回り、そろそろお腹がすいてきたが、食べる所があるような所ではない。そうだ、この先に中世夢ヶ原とかいう観光地があったはず。中世夢ヶ原には用は無いが、美星天文台でも行ってみるかと車を走らせる。
着いた所はだだっ広い駐車場。どこが夢ヶ原?とか思いながらも、一軒だけあった郷土料理の看板がある店で、天ぷら蕎麦を食べる。結構美味しい。腹ごしらえが済んだところで美星天文台に行こうと、駐車場にあった案内板を見ると、800円の入場料を払って夢ヶ原とかいう広場を通らないと天文台に行けないらしい。仕方が無いので入場料を払って夢ヶ原に入る。せっかくだから中世の農家などを復元した建物に一応入ってみる。しょうもないと言えば、しょうもないのであるが、それなりに、感じる所はあって、それなりって感じかな。
天文台への道を歩いていたら、シルビア?と思わせる蝶。ひょっとということもあるので慎重に寄ってファインダーで覗くと、一瞬クロシジミかと思ったが、なんとヤマトシジミの斑紋異常である。写真では何度か見たことはあるが、実物に出会ったのは初めてである。
とりあえずはここまで来た収穫ありかなっと気を良くして天文台へ。
とりあえず日本で3番目、民間では西播磨天文台に次いで2番目に口径の大きい101cm望遠鏡を見る。思っていたよりは小さいが、旧美星町が運営していたことを考えると立派である。一通り見学して帰ろうとしていたら、図書室がある。ご自由にお入りくださいと書いてあるので、入ると天文関係の本がずらり。で、ふと思い出した。高校生のころ天文ガイドという天文雑誌に星野写真が入選したことがあることを。「すみませーん、天文ガイドのバックナンバー置いてますか?」「いつごろのですか」「30年くらい前なんですけど・・・」「ありますよ」やりぃである。資料庫から持って来てくれた本を一冊々々開いて探していたら「あった!」。30数年ぶりに見た。こんなにうまく撮れていたのかと改めて感動。
冬、寒い中、凍える手で手動ガイドしたことが思い出される。この時一緒に写した友人は今、天国にいる。この雑誌はいつのまにか紛失してしまい今は手元には無いが、雑誌に掲載されるということは後世まで残るということなんだなーと改めて思った。青春時代の貴重な思い出が思わぬ所で見つかり、感慨深い一日となった。